2011年5月29日日曜日

ナンギと運転免許

その昔、私の友人がシナコを見てあだ名をつけました。それは「ナンギちゃん。」
その難儀度がこのところますますレベルアップしております。

シナコの運転免許の話はどこかに書いたようにも思うのですが、書いていたとしても、もう一度ここでおさらいしてくださいませ。

シナコの送り迎え地獄からいち早く解放されたい私は、16歳になるやコネチカット州の仮免を取らせ、ドライビングスクールのお金を払いました。コネチカット州では18歳未満の場合はドライビングスクールで講習を受けることが義務づけられています。

ところが放課後はクラブで忙しいと言って講習は1、2度出たきり。
「お金払ってるんだから、行かなくちゃもったいないでしょ」と私が言うと、
「ママが勝手に払ったんでしょ」
ぶち切れましたよ。

そうこうしているうちに18歳になり講習も要らなくなりました。ドライビングスクールに払った費用の中には3時間の運転レッスン費用も含まれており、これはまだ有効でした。だからカロライナに引っ越す前に練習しなさいと言ったのに、「誰も連れて行ってくれない」と言って利用せず。連れて行く必要なんてないんです。電話すれば先生が家まで迎えに来てくれるのですから。払った800ドルが丸々無駄になりました。

そして免許のないまま今年の夏を迎えました。

免許を取るように勧めると、「お金は出してくれるの?」
冗談じゃないと言うと、
「今年の夏はやっぱり免許は要らないと思うんだけど」
「免許無しでどうするの?」
「ママが居ない時はタクシーに乗る」
「お金はどうするの?」
「自分で払う。でも学校への行き帰りは、どっちみちママが送るはずなんだから、送れない時はママが出してね」 

あまりの無計画さ、無責任さにむかっとして、「もうあんたの送り迎えは一切しない!学校への送り迎えもしない。免許がないってことは、自分がこの家族に貢献できないってことでしょ。免許があればお互い送ったり送られたりできるけれど、シナコにはそれができない。見返りがないんだから、私はもう送らない!」

キニコもいて、二人して「もう送りません」宣言をしました。

それからしばらくして頭を冷やして考えたようで「じゃあ自分でお金を払ってドライビングスクールへ行く」と言いました。

1週間で10回(1回1時間半)のレッスンを終え、免許所センターでテストが受けられる準備が整いました。今日はシナコのパスポートを取りにチャペルヒルの領事館出張サービスに出かけたのですが、その帰りに運転させることにしました。

・・・寿命が5年縮まりました・・・。

路肩に止めて運転を交代し、シナコが発進するときにタイヤが軋んで音を立てたので、
「アクセルを踏み過ぎるからタイヤが軋んだでしょ」と言うと、
「アクセル踏みすぎてない!うるさい!」
「踏みすぎてるから、その証拠に音がなるんでしょうが」
「踏みすぎてませんでした。踏み込みが足りなくて動かなかったから、もっと踏んだら鳴ったの」
「だから、それを踏み込み過ぎって言ってるんでしょ。ママは現象を説明してるんでしょうが、踏んだら鳴るよって」
「うるさいから黙ってて!」

カーブを曲がるときにシナコが送りハンドル(ハンドルを引くのではなくちょこちょこ押し上げている)をしてるので
「送りハンドルしないの」
「してません」
「送ってるからハンドルが十分に切れなくて大回りになってるんでしょうが」
「ぎゃあぎゃあ言わないで、ママが言うから余計に運転できない」

しばらくすると
「わざとするのやめて、目に入るんだから!」
「何が?」
「わざと足で踏んでるでしょ」
私がシナコのブレーキが遅くて怖くて思わず足を突っ張ってるのを見てのコメントでした・・・。

シナコが停止するときにブレーキを踏みすぎて前のめりになったときに、
「ね、最後に軽くブレーキ上げればそうならないでしょ」
「わかってるって言ってるでしょ。今初めて一回なっただけじゃない」
「だけど、毎回ならないように気をつけたらいいでしょ」
「たった一回くらいで言わないで。失敗しないと習わないって先生も言ってたもん!」
(正しい日本語は「学ばない」ですが、そこには突っ込みを入れませんでした。)

そして帰宅後、「素直に聞かないならもう一緒に乗ってあげない」と言うと、
「ママが命令するからでしょ」
「命令?」
「こうしなさいっ! ああしちゃだめって」
「は? 命令じゃなくてそれはアドバイスでしょ」
「アドバイスだったら、XXしがほうがいいよって言えばいいじゃない」
「そんな車に乗ってて咄嗟に、『どうぞこのようにあそばした方がよろしいと存じます』なんて言ってらんないでしょうが」
「そんな言い方しないでも、こうしなさいじゃなくて、こうすればって言えばいいじゃない」
「アドバイスだって思って聞けばいいじゃないの。嫌だったらもういいよ。人の言うこと聞きたくないならもういい。」
「言うこと聞かないのはママの方でしょ。私がいつも何か言ってたら聞いてないのはママじゃない!」
「そうかな、ママは・・・」
「ほら、また聞いてない、いっつも聞いてない・・・」
「聞いてないのは・・・」
「ほら、まだ私は終わってなかったのに、ママは聞かないで話すじゃないの」
「聞かないで・・・」
「今もそうじゃない」
「じゃあ何が言いたいのよ」
「私の言うことを聞いてよ。この前だって・・・」とシナコの話は延々続きます。

そこへキニコも降りて来て、
「今の話を聞いていると、私だってシナコの言ってることはおかしいと思うけど・・・」
と加担したら、シナコさんはウルウルとなって、涙をぽろぽろ流しながら、誰も私の話を聞いてくれないと泣いてはりました。
この筋の通らぬ論議・・・疲れます。

シナコを知る友人はみな「シナコちゃんって面白いよね」と言うのだけれど、確かにブログねたを一杯提供してくれるくらい面白いんだけど、ずっと一緒に居るとあまりに難儀で疲れますわ。

11 件のコメント:

  1. はい、大変難儀なようで、お察しいたします。という内容のメールをアニメGIFつきで送ろうとしたらGmailから送信不可能、アドレスがない、と帰ってきちゃった。ジョダコさん、今度私のメール(Gでもウォルレーブンでも)にテストメール一本ください。

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  2. シナコさんの、「誰も私の話を聞いてくれない」ではなくて、正しくは「誰も私の主張(言ってることに)同意してくれない」が正しい嘆き方だと思う。
    そして、そこから、「何故同意してくれないか」に思いを馳せることができるようになったら、難儀度は随分変わるのではないのかな~。

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  3. メールを送るって、ここからメールを送るってことだったのかしら? 自分のアドレスからは今送ったんですが・・・ブログのページからメールが送れるの??

    ・・・同意なんてできませんわぁ。だって全然筋が通ってないんだもん。シナコに「XXしていい?」と聞かれて、できるときはOKするけれど、駄目と言った時は延々「どうしてだめなの?どうして、どうして」と何度理由を説明しても3歳児のようにどうして責めでございます・・・。何時か変わるのかなぁ〜。

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  4. 初めてコメントします、カビゴンです。アメリカ親の会のブログでご紹介いただいてから愛読しています。(うちのわがまま娘の大学の進学のことでいろいろ質問したときにご紹介頂きました。)シナコさんとうちのがあまりにそっくりのことをいうので。つい。。黙っていられなくなって。
    本当に同じことを言います。
    ママはいつも話を最後まで聞いてくれない等えんえんと。でもって、泣きます。ライセンスも持ってません。仮免だけとりました。それから一回も練習してません。大学に行く前に免許をとってもらいたいんですが、無理かも。
    そうですか。。大学に行き始めたら変わるかと思ったんですが。
    難儀ですよね~。

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  5. こんなナンギ娘は滅多にいないと思ったのですが、他にもいたとは心強い!?
    でもうちのナンギの場合は、ブログには恥ずかしすぎて書けないレベルの難儀さも山ほどあるんです(笑)。
    我が子を含め今の子供たちは生まれた時からなんでも揃っていて、親がいろいろとお膳立てしてくれて、それら全てがあって当たり前のものと思い、わざわざ与えられているものだとは気づいていないのですよね。独り立ちして初めて分かるのでしょうが、できればそれまでに気がついて準備を始めて欲しいものです・・・。そう思って突き放しているのに、本人はいじめられている、愛されていないと思っているらしいです・・・。ったく・・・。

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  6. 100%同感です。
    わかっていただける人がいて心強いです。
    どうも周りのほかのお子様たちが良い子ばかりで。
    がんばっているのは認めますが、もう少し親の(特に母親)の心も思い図ってくれと思います!
    この夏も大変そうです。
    寮もママが言ったからこのキャンパスにいなってしまったと、すべて私の責任らしいです。あぶなくDepositの期日を逃しそうになりました。
    寮のアプリケーションもDeadlineぎりぎりでした。
    今もう、CとかDとかFとかを突然とって、大学入学が無にならないことを祈ってます。だれも気にしないんだからとほざいて青春を謳歌しているみたいに私には見えます。はー。大学に行き始めてからついていけなくて泣くんじゃないかとひやひやしています。音楽のオーディションで入ってお情けでダブルメージャーに合格させてもらったのではないかと思うので。絶対泣きを見る気がして気が気じゃありません。

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  7. 察するに今年から1年生なのですね? 
    私も去年の春から夏にかけて、すなわち学校が決まる前からナンギが大学に行ってしまうまでのイライラを思い出しますと、今はこれでもずいぶんストレスは減りました。ナンギ度はアップしていますが、もう私の知ったこっちゃないって無視できますから。去年は放っておきたくても放っておけないこともいろいろありましたしね。今は帰宅した時はぶつかりますが、年の殆どは離れて暮らせるのですから、るんるんです(笑)。あと数ヶ月のしんぼうですよ!
    それにしても音楽メジャーまで同じとは・・・。私は音楽で飯は食えないって言ってるんですけど・・・生物とダブルメジャーすると本人は言ってますが、言っても聞かないですし、それに今日日のアメリカは一昔前と違って大学で専攻したものがそのまま職業に繋がらなくないですし、もう好きにしてもらいます。

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  8. うわ!そこまで一緒でしたか。うちもBIOと音楽のDoubleです。両方からお金が出てやっと通えることになったので、お願いだから、止めないでと祈ってます。大学受験は本当に大変でした。期日の最終日の11時45分にSubmitをした時には気が狂いそうになりました。
    うちはジュニアから私立の芸術高校にはいり、寮だったのですが、全然楽になりませんでした。家から車で40分くらいだったので。
    できない無理をしてこの学校に入れたことをご存知ないようです。

    奨学金がでなくなったらいけません。わかっているのか。今年から1年生で5年間の予定です。はー。成長してくれることを願ってます。
    大学は飛行機で4時間はかかるので、少しはましになることを切に切に願ってます。
    すみません、何度もコメントを返してしまって。ついついうれしくて。

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  9. カビゴンさん、文面から推測しますにうちのナンギとは比べ物にならぬ優秀なお嬢さんのようですね。きっと親元を離れて成長されますよ。と、他人事ながら願っております。我が家の長女も高校は私学で裕福な家庭の生徒たちと一緒でかなり勘違いしていたようですが大学に入って大分世の中が分かったようです。まだまだ甘いところは多々ありますが、徐々に世の中を知って行ってくれたらと思います。ナンギのほうはどうやら「私はお姉ちゃんほど十分にしてもらってない」というひがみがあるようで・・・そうじゃないんですけどね。これも徐々に目から鱗が落ちて行ってくれたらと切に切に願います。

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  10. すみません、何度も。もう、終わりにしようと思っても、これだけ返信させてください。うちのワガママは優秀では全然ないです。成績もテストの点もだめだめです。ひとつもAPありません!ただ、マイナーな楽器(ビオラ)で、多分助かったのではないかと。ジュニアの時から音楽で奨学金をとる作戦にしたのだけは正解だったと思われます。そのおかげでプロフェッサーに気に入られてお情けでアカデミックのほうも入れてもらえたと。それを思いっきり勘違いしているだけです。

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  11. 戦略はどうあれ結果ですから、世の中は!
    せっかく与えられた貴重な機会ですから最大限に利用してもらいたいですよね。
    全く同じことをわが娘たちにも言いたいです・・・が聞く耳もたずだからなぁ。
    お互い希望を捨てずに頑張りましょう!! 何が吉とでるか人生わかんないですもんね。死ぬまで。

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