2010年12月3日金曜日

車事情

うちにはまだ車が2台ある。当初はカロライナでは普段は私一人になるから、保険料が勿体無いし引越前にオデッセイの方は売ってしまおうと思っていたのだが、自力引越で車が必要。オデッセイは重宝したし、キニコの荷物をカナダに運ぶにもやはりオデッセイが必要だった。

しかも保険料が、コネチカット州に比較して、NCでは3割方安いことがわかったし、休みの度にキニコが帰ってくると、車は必要だし・・・ってんで、結局当面は2台を維持する事に。大きな車があると何かと便利ですしね。

9月。ネットで必要書類を調べて、2台の車の登録変更(ナンバープレートの変更)にDMVへ行った。日本で言えば陸運局? 免許証センターと車の登録とかやってるところです。

私名義のシビックの登録変更は直ぐにできたのだが、オデッセイはコイオの名義になっていたため、コイオからの委任状がない限り、私では出来ない、とのこと。「この委任状に、公証人の前でご主人が署名して、ご主人の免許証のコピーを持って来てください」と、委任状の紙を渡された。

えー、また公証人・・・。家を買うときにもコイオの委任状が必要だったのだけれど、英文じゃないといけないから、どの公証人でもいいって訳じゃなくて、大変なのよね。

けれど基本的には転居後90日以内には変更しなくちゃいけないので、放っておくわけにはいかない。「名義人はご主人だから、あなたがその車を運転して捕まっても、実際にはお咎めなしなんだけどね」と、DMVの人は言ってましたが。

それでもコイオがいつDMVに行けるのかわからないので、とりあえずその委任状の紙を日本に送って、公証人の前で署名するようにお願いした。コイオも帰国後は、当初想定していた北米出張は皆無で、実際はエジプト、カザフスタン、アルジェリア、バングラディシュ・・・と、彼がとりわけ大好きな発展途上国三昧。(勿論、反対の意味です。私はそう言うところ行ってみたいけれど、コイオは、大の苦手らしい。)出張が多くて、なかなか公証人のところに行けず、つい先日ようやく委任状が送られて来た。

火曜日に早速委任状を持ってDMVへ。

ところが・・・。窓口で必要書類を提出すると、しばし沈黙の後、「・・・確認しますから、しばらくお待ちください。」

待つこと30分。ようやく呼ばれて行くと、「これは日本の公証人ですよね・・・。Raleighの本部にもファックスして問い合わせましたが、これでは受け付けられないとのことです。アメリカ大使館に公証人がいるので、そちらを利用して、委任状を再度作り直してもらってください」だと。

「え、家を買うときですら、この公証人でOKだったんですよ。なんで車のプレートでアメリカ大使館まで行かなくちゃいけないんですか?」と食い下がったものの、
「本部がダメと言っているので仕方ありません。納得行かないなら、Raleighまで行ってください、はい次の方」
と取り付く島なし。新しい委任状の紙を手渡されて、追い返された。

うーん! 腹立つ~!

ごねても仕方ないから、とりあえずは、次の用事である国際免許の取得にAAA(トリプルA)に向かった。年末に日本に帰省するものの、私の日本の免許はとっくに失効してるので。アメリカでは国際免許はDMVが発行するものではなく、AAA、日本で言えばJAFに当たるところが発行してくれるのです。AAAはJAFのようなサービスのほかに、旅行代理店や保険もやってます。

AAAにパスポートサイズの写真を2枚持って行くと、ものの5分で国際免許の出来あがり。私はAAAの会員じゃないから15ドル払ったけど、会員だったら幾らなのかな。5ドル? 10ドル?

そこでふと思った。
「この辺に公証人のいる所、ご存知ないですか?」
普通、UPSとかFedexとか扱っているところには公証人がいるのですよね。
「ウチに3人いますよ。でもあなたは会員じゃないからダメです。会員だったら無料ですけど。でも銀行に行けば、いるわよ」

そうだった。思い出しました。銀行にも必ず公証人がいました。でもその銀行に口座がないとサービスが受けられないのよね。
「じゃ、最寄のワコビア銀行の場所を教えてください」

ってことで、一路ワコビアへ。
私の考えはこうだった。公証人の前で私が新しい委任状にサインしてもらって、添付の公証人のサインをコイオの委任状に添付されているものとすり替えようと言うもの。

ワコビアへ行き、公証人の前で委任状にサイン。勿論、無料。それを公証人に渡して、彼がサインして戻してくれた時に気付いた。当たり前の話だけれど、彼はその委任状そのものにサインしているわけで、別紙にサインするわけじゃない。こんなのもらっても何の役にも立たないじゃん・・・。

で、更にその時に気付いた。
じゃ、コイオの委任状に「添付」されてたあの立派な書類は何だったんだ? それに日本語が一杯書いてあって、墨で署名も入っていて、割り印とかいっぱい押してあり、見るからに「異国のもの」という怪しさをかもし出している。よく見ると委任状そのものには、単に公証人がサインして、英語のスタンプが押してあるだけ。

よくよく見ると、それは公証人が公証人である故を証明する紙。日本語が一杯書いた、そんな怪しげな紙がついているから、「調べ」が入ったのではないか!?

と言うことで、この町にある別のDMVに行く事にした。
そして、怪しげな添付の紙は取り去り、そ知らぬ顔で窓口で必要書類を提出すると・・・全く問題なく受け付けてもらえて、10分ほどで、新しいナンバープレートをもらった!

良かった~。Raleighの本部に問い合わせるって言われたらどうしようかと思った。

ようやくの思いで登録変更が出来たことをコイオに連絡すると、「日本では公証人を使うのに1万円近くかかるから、無駄にならなくて良かった」だって。こっちじゃタダなのにね・・・。

上記の私の説明はよくわからないと思うので、この写真を見てくださいな。
下がコイオが送ってきた委任状。

これが、私がワコビアでサインしたもの。ちなみに公証人の役割は、その署名が私の自筆であると言うことを証明するだけなので(公証人に私の免許証を提示して身分証明はした) 、書類の内容には関知しません。それがどれほどくだらなくとも、嘘八百書いてあってもね。だから、この委任状も白紙のままでOKなのです。

そしてこちらがコイオの委任状に添付されてきた「怪しげ」な異国情緒たっぷりの書類。
でも、改めてこれを見ると、これはこの公証人が日本国外務省も認める立派な公証人であることを証明する由々しき書類なんですね。立派過ぎて恐れ多かったという事でしょう。

2 件のコメント:

  1. ぶわっはっはっはっは!!
    人事ながら笑ってしまった!!
    でも、用事はちゃんと済ませることができてよかったね。
    お疲れさんでした。

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  2. ほんと、こんな大仰なものなしで、氏素性の知れぬ公証人のサインだけの方がいいなんて、日本の法務省も外務省も聞いたら泣くね。

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