2010年11月21日日曜日

ジョダ

私がカロライナに引っ越して来たのが8月の末。そして今日までに約100日が過ぎた。

今年と来年は大学生が2人で支出が膨大なため、仕事最優先の馬車馬人生になることは覚悟の上だったのが、幸いにもコンスタントに仕事があり、数えてみると引越してから我が家に住んだのはわずか40日ほど。

ホテル暮らしは嫌じゃないし、各地に移動することも、今のところは全く苦にならない。どちらかと言うと、そう言う生活が非常に気に入ってはいる。

ただしひとつだけ常々気がかりな事があった。それはジョダのこと。

引越して真っ先に探したのがジョダの預け先。幾つか候補のケンネル(犬を預かってくれるところ)をキニコと一緒に回ってみて、距離的にも設備的にも一番良さそうなところが見つかった。けれどジョダにとって理想の場所かというとそうではなかった。

その昔、オハイオでジョダを預けていたところは、農家の一部でもあり、預かっている犬を家の中でも放していて、しょっちゅう外にも出して犬同士を遊ばせてくれていた。経営者の女性は根っからの犬好きで、レスキューもやっていた。レスキューとは、虐待を受けた犬や飼い主が飼えなくなった犬を次の飼い主が見つかるまで一時預かるボランティアのこと。彼女の飼い犬と預かっている犬とレスキューの犬たちが、一緒になって走り回れるその環境がジョダにはお気に入りで、そこに連れて行くとき、近くまで来ると匂いでわかるのか、興奮して窓の方に立ち上がって尻尾を振っていた。彼女もジョダをすごく可愛がってくれて、「満床」の時でも特別に預かってくれて、ジョダは彼女のベッドで一緒に寝ていたほど。

なかなかここまでのケンネルは見つからないとは思ったが、他の犬と一緒に走り回れる環境だとジョダも喜んだのだろうけれど、残念ながらそういうところは見つからなかった。

カロライナに来てから、これまで預けていたところは、全ての犬は別々の檻の中で(飼い主が同じであれば、複数一緒に入れることも可)、朝晩30分ずつ用を足すためと運動のために、小さな庭に放してくれる。犬たちの檻は向かい合っているから、お互いを見る事はできるのだけれど、一緒には遊べない。犬用のマットを敷いてくれているけれど、床はコンクリートでちょっと可哀相。窓も建物の片側にしかなく、小さい犬用の檻は窓のない側にある。ジョダが可哀相だから、特別料金を払って30分のお遊びタイムをエキストラでお願いしていた。でも高くなるから毎日は無理で、月水金だけ。

お世話をしてくれるのは若い女の子たちで、4-5人が働いていたかな。ジョダは結構可愛がってもらっているようで、連れて行くと嬉しそうに尻尾を振って入っ行ってはいたけれど。

これがたまにならいいのだが、100日のうち60日もこんな環境で過ごさせていたから、ちょっと不憫に思っていた。それに毎回帰ってくるたびに少し痩せていたし。前回は、餌の量を少し増やしてもらったから、痩せないで帰ってきた。

仕事に出かけるのは嬉しいのだが、毎回ジョダの事を思うと後ろ髪を引かれる思いをしていた。娘たちの事は全然心配にならないのに、ジョダは気に掛かるというのは、「娘より息子の方が可愛い」と世間では言うけれど、やはりその通りだな。

そんな訳で、少し前から、誰か個人でジョダを預かってくれる人がいないか探していた。家を買った時のエージェントだったマージも、ジョダを不憫に思っていて、「うちで預かってあげる」と言ってくれたのだが、マージの家にはシャム猫が2匹いる。(ちなみにマージも、シャム猫のレスキューをやっている。この2匹は彼女の飼い猫だけど。) 幾らマージがいいと言ってくれても、どう考えてもジョダが猫を追いかけ回して、猫に引っかかれるか、家中がぐちゃぐちゃになるか・・・。マージはそれはやってみないとわからないから、一度連れておいでとずっと言ってくれていたけれど・・・試してみるまでもない気がしていた・・・。マージは最後の手段として、もう少し探してみる事にした。

そして、とうとう知人の紹介で、これ以上は望めないと言うところが見つかり、今日、初顔合わせにジョダを連れて行ってきました!

ここのご主人は、偶然オハイオ時代から仕事を通して知ってはいたのだが、彼の家族が犬好きで、15歳、12歳、9歳の子供が3人居て、犬を2匹飼っていることなどは知りませんでした。家は森の中の一軒家で、外で犬たちが自由に走り回れる。


1匹は5歳のゴールデンレトリバー。ジョダは大きな犬が大好き。通常大きな犬は落ち着いているから、ジョダが追いかけても、あまり相手にはしてもらえない。もう1匹は中型のテリアの混ざった雑種。こちらはまだ1歳だから遊びたい盛り。こっちがジョダを追いかける。妙な三角関係だけれど、うまくバランスも取れて、ジョダはめちゃくちゃ楽しそうにしていました。

このご家族はその昔日本にも住んだことがあり、私が「ジョダが逃げたら『ゴハン』と言えば、戻ってきます」と奥さんに教えると、彼女は「ゴハン」という日本語を知っていて、子供たちに「riceとかdinnerって意味よ」と説明していました。

まだ初回はいつかは決まっていませんが、次からは罪悪感を感じずに仕事に出かける事ができます。

余りに理想的で完璧な環境だけに、夢か誠か、怖くなるほど。ジョダの素行が悪くて、あの約束はなかったことに・・・と突っ返されないように、品行方正でいてくれますように。

2 件のコメント:

  1. 素晴らしい預け場所が見つかっておめでとう!!
    ジョダもさぞかし喜んでいることでしょう。

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  2. そうなの~。本当に良かった!
    きっと今度からはジョダは、家にいるよりここに預けてもらいたがるかも。

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