2011年7月3日日曜日

花火の謎

オハイオに暮らしていた頃、オハイオ州内(だったと思う)や、そこから近隣の州へ出かけたときに、たいていは高速沿いの他には何もない田舎に「Fireworks(花火)」と書いた倉庫のような大きな店を時々見かけた。

1年中使う訳でもない花火の専門店って言うのもおかしいし、Fireworksって名前のチェーンのお店なんだろうか・・・と疑問に思っていた。さしたる疑問でもないから、わざわざ高速を降りて店を見に行く訳でもなく、見かけた後は忘れてしまって、別に誰に尋ねるでもなく過ごして来た。けれどやはり見る度に「ほんとうに花火屋なんだろうか・・・」と疑問に思って来たのである。

今夏、アメリカの南部/南西部はひどい干ばつで、特にテキサス州では多くの町や郡が、毎年独立記念日前後に行われる花火大会を取りやめただけでなく、花火の販売を全面的に中止したそう。そのため今日のNYTimesにも花火に関する記事があった。

それを読んで長年の謎が少し解けた。

私が高校生の時に交換留学で暮らしたのはアリゾナ州。アリゾナは乾燥しているので花火は禁止されていたが7月4日の独立記念日の日だけ花火が許可されていた。確かこうした法律はアリゾナだけでなく、当時はアメリカ各地で同じような規制があったように記憶している。

今日の記事で知ったのが、花火を禁止していた大きな理由は火事よりは火傷を心配しての事だったらしい。ところが近年花火がより安全なものになったこともあって、花火の販売と一般人の花火の使用を許可する州や自治体が増えて来た。打ち上げ花火だけは規制しているところがまだ多いらしいが。

そしてこのところ、この許可合戦に拍車がかかっているらしい。というのも販売が禁止されている州や自治体の住民はお隣の州や町へ行けば花火が買える。すると禁止している側は花火販売のライセンス料や税収を取りそびれ、お金は近隣の州や町へ落ちてしまう。どっちみち花火をやっている住民には目をつぶって来たわけだから、ならば自分のところで買ってもらって自治体の収入を増やすべきじゃないか。景気も悪くてただでさえ税収が減っているのに、これを逃す手はない・・・と言う発想らしい。

そうなんだ。花火販売にはライセンスが必要。販売も年中許可されているところは珍しく、たいていは独立記念日に先立って数週間のみ。一年中売り上げがあるわけでない特殊な店を都心には構えまい。1年のうち1ヶ月やそこらしか営業しないような店なら田舎に置くのはわかる。高速沿いなら通りがかかりに存在を認められ、お客さんも1年に1度、この時とばかり遠出して買いに来るのかな。

今度通りかかったら、思い切って覗いてみようっと。

2 件のコメント:

  1. 私のビクトリアでの経験も似たようなもので、7月1日のカナダデー(カナダのお誕生日)前後の期間だけ、小ぶりなものだけ販売許可。これはアリゾナと同じで山火事の恐れがあるため(カラカラに乾燥するから)。
    そして、ハロウィーンも花火のシーズンですが、その時に強調されるのは火傷防止でした。(10月末じゃあ寒くて、外で花火を楽しむ、という気分になるのはティーンぐらい?)
    なので、夏に娘を連れて日本に帰るチャンスがあると、実家でいつも花火をやってました。日本の夏は湿度が高いから火事の心配はないから、火傷の注意と虫刺され予防をしっかりやって、花火。まだ幼稚園だか小学校低学年のあやぞ~が喜びまわってたのが今でも目に浮かびます。楽しい夏の日本の思い出。

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  2. アメリカの花火をじっくり見た事はないけれど、主流は「ドラゴン」みたいな地面においてシュワって出るタイプよね。日本の線香花火みたいな風流なものはないのよね。やっぱ日本の花火がええわぁ。

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