2012年4月10日火曜日

健康保険

私がしばらく前にアメリカの健康保険についていろいろ書いていたことがご記憶に新しいかと思いますが、先日加入して初めて健康保険を使いました。

と、言いますのも、お恥ずかしい話ですがメキシコ旅行に出る直前に膀胱炎になりました(笑)。

保険の話をする前に膀胱炎に関してちょびっと(と言って必ず長くなる)書かせて頂きますと、今回は人生において二度目の膀胱炎でありました。初回はフランスに住んでいた大昔。映画館で途中でトイレに行きたくなり中座。ところが用を足したにも関わらず、まだトイレに行きたい気分。映画が終わってもトイレに行きたい、けれど出ない。そして妙な痛みもある。

映画に一緒に行ったのは当時私のパリのアパートに1年近く居候していた友人。掃除洗濯、飯炊きをしてくれていたのですが、私は彼女をイソウロウと呼んでおりました(笑)。(ごめんね、今でも感謝しております。)

この病気のエキスパートらしかった彼女は、「大丈夫、膀胱炎だから!お水をたくさん飲んでおけば治るから!」と。

ところが家に帰ってトイレに行くと、真っ赤な血尿が! 
「わぁぁぁぁぁ! 血が出た〜!!! 死ぬぅ〜!」
本当に悲愴になりました。

人生の全てを悟っているようなイソウロウは、「死なないよ、そんなの!膀胱炎だから。お水さえたくさん飲んでおけば大丈夫!」

しかし、これまで血尿など体験のない私は心配で心配で、翌日病院に予約を入れました。かなり心細くて、会社(当時はアパレル勤務でした)で数少ない女性であるマイテさんというプレス担当の女性に思わず、「膀胱炎になってしまったみたいなんです・・・今日、病院に行くんですけど・・・」と漏らしました。

すると、元モデルだった超美人のマイテさんが、
「うわっ! じゃあ、絶対ブルーの錠剤をもらうわよ。あれを飲むとね、ブルーレットみたいなきれいな青〜いおしっこがでるのよ〜!」

マイテさんが膀胱炎を経験済みと言うことよりも、美しいマイテさんの口から「おしっこ」と言う言葉が飛び出したことがもっとずっとショックでありました。

結果はマイテさんの予言通りブルーの錠剤を処方され、それを飲むと本当にブルーレット顔負けの真っ青な綺麗なおしっこが出ました。

ですが、二度目のアメリカでは例の青い錠剤は処方されず(残念)、抗生物質を処方されました。先生曰く、
「膀胱炎でいきなり血尿は殆どないんですけれどね。」

そうなんです。今回もいきなり血尿。自己診断によれば、トイレに行くのを我慢しすぎたため、です。

実は私には悪い癖があり、日頃水分を余り取らないために、多少トイレに行きたくてもかなりの長時間我慢できてしまうのです。特にパソコンなどに向かっていると、「あー、トイレに行きたい!」と言いながら、トイレに行くのが面倒で、ついつい先送りをしてしまうわけです。それを何度も繰り返すものですから、娘たちが家にいると、「ママっ! いい加減にして! トイレに行きたければ、行けばいいでしょう!」って怒られるわけです。

ところが、あの日は誰もしかってくれる人は家におらず、忠実なジョダは私の足下でグースカ寝ておりまして、私が「あー、トイレに行きたい!」と言っても、首を上げるわけでも、尻尾を振るわけでもありませんでした。それで、少なくとも2時間くらいはそうして過ごしていたと思われます。流石に自分でも、エエ加減にトイレに行こうと、トイレに立ったのですが・・・。

用を足してすぐに「しまった!」と思いました。感じが変なのです。
「あー、やってしまった・・・」と。
見ると、トイレはピンク色。

おしっこを我慢したから膀胱炎になったのか、既に膀胱炎を起こす菌を保持していたところおしっこを我慢したことをきっかけに発症に至ったのか、はたまた、どのみち膀胱炎になる運命だったのかよくわかりませんが、結末は膀胱炎にかかった、でした。

メキシコ旅行を間近に控え、翌朝、慌てて保険会社の提携病院を探して電話をかけアポイントを取りました。幸いその日中に診てくれる泌尿器科が見つかり出かけて参りました。

で、前述の先生の話に戻りますが、いきなりの血尿は普通はないので、「採尿サンプルを培養した結果、菌が検出されれば膀胱炎ですが、検出されなければ腎臓結石の疑いがありますのでCTスキャンを受けてもらいます」と言うことになりました。(大学生の頃に腎臓結石もやっているので、余計に疑問視されたと思います。)

処方された抗生物質を飲んだら、2日ほどですっかり良くなったの、やはり膀胱炎だったと自分では結論づけておりました。

メキシコから帰宅しても病院から連絡はなかったので、培養の結果、腎臓結石の方は「シロ」だったのでしょう。

で、ようやく今日の論点であります「健康保険」の話へと至ります。(話が長過ぎる!)

保険会社から、先日の診療費用のお知らせがありました。尿検査、培養検査、その他の検査や診療費用を合わせて185ドルほどだったのですが、な、な、なんと、保険会社と医療機関との提携による割引が適用され、請求料金は、たったの18ドル!

つまり、167ドルの「割引」なんですよ!

えーーーー! 信じられなーい。9割引!? 

有り得ねー。

まぁ、私としては安い方が嬉しいのですが、何か不思議であります。

健康保険にとうとう加入した時、免責を5000ドルに設定したため、その額に達するまではひたすら自腹で払って行くのだと思っていましたが、こんな大幅な割引があるとは予想しませんでした。割引があることは知っていましたが、普通は割引って言えば10%とか20%でしょ? セールの洋服だって最高で70%くらいのものでしょ? それが医療費が90%の割引? 

これなら健康保険に加入しているメリットはかなりあるかもしれません。

にわかには信じられませんが、とにかく嬉しい驚きでありました。

6 件のコメント:

  1. いや、そうなんです。特にジョダコママがしたような基本的なものは大型割引。私の高額がん治療(放射線治療、正札1回1000ドル弱を20回以上)も、保険の割引で半額。その値引きされた額を保険が100%カバーしてくれるので、私は払ってません。
    これがあんびり~ばぼ~な米国保険の世界。

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  2. そうなんですかー。基本的なものは、こんなに大型割引があるのなら、健康保険に入ったのはやはり正解でしたね。
    保険料は高いけれど、アメリカの保険も捨てた物じゃなかったってことなのかしら?
    その割には、健康保険に入っていたのに医療費が払いきれずに自己破産って言う話を良く聞きますが(しかも、所得も普通レベルで、契約内容もさほど安っぽいものでもなかったとドキュメンタリーに登場した人は言っていましたが)、どうしてなんでしょうね。何か特殊な治療が必要だったのかな。

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  3. 乳がんは米国法律でかなり保護されてる病気なんです。誰もが規定範囲内の治療を受けられるって。でも他の病気になると、そういうわけではないから、カバーされる割合が違うだろうし、半額になっても、治療費500万円が半額になったら250万、それを3ヶ月ごととか半年後ととか言われたらね~。
    そして米国の医療の世界では治療が500万円とかって全然珍しいことではないでしょ。やっぱ怖い。

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  4. なるほど、そう言うことですか。じゃあ病気やけがの種類や状況によっては、やはり保険に入っていても自己破産は有り得るってことですよね・・・。やっぱり保険に入っているからって安心は出来ないわけね・・・。

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  5. お高い、いい保険に入っているってことはないのかしら?

    私がアメリカにいたのはもう20年も前なのでなんですが、私たちがようやっと払っていた月400ドルくらい(当時の円レートは・・・いくらだったかしら)は、初診料50ドルは絶対自腹で、それ以上が返ってくるんだったかな?薬代もいったん払ってから請求書を送って、みたいなえらいやっかいな手続きがあったし。一方、NASAに出向していた公務員さんたちはどんだけ病院に行っても、診察料はいつも10ドルだとかで、夜間診療にいったり、大病院に行ったりしてたわ~。旦那曰く、「あの保険会社は恐ろしく高い」とか言っていたような記憶が。


    大学の時の結石、「石が出るのが痛かった」というJodakoさんの言葉を今でも覚えていますw

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  6. 高い良い保険じゃないよ〜。それでも月々260ドルほど払ってます。夫が駐在員だった時に入ってたのは結構良い保険で、Co-payの10ドル(15ドルだったかな・・・)プラス一人当たり年間1000ドルまでは提携医療機関だと1割の自己負担。それを越えると無料。でも一体どのくらいの保険料だったかは知りません。今は保険料そのものも自腹。何かあった時のためと思って入ったから、普通の病気くらいは自己負担でいいかと年間5000ドルまでは100%自己負担なのです。ただし今回のように保険会社と提携医療機関との間ではこんなに割引があるとは知らなかったので、とてもラッキーな気分。でもどの治療をしてもこれだけ割引があるわけじゃないと思うんですけれどね・・・。
    そうそう、痛かったのよね、あの石が出るまで。石が出るときよりも、尿道にあったときの方がずっと痛かったよ。

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