2011年3月22日火曜日

日本

タクシーの運転手さんが、「日本の様子はどう?」と聞いてくれた。
「悲惨だよ・・・」と答え、被災して避難を余儀なくされている人たちが40万人にものぼるという話をしたら、「日本の人口って何人なの?」

この運転手さんはエチオピア人。エチオピアの人口は知らないけれど、40万人と聞いて、もしかして自国と同じくらいの規模なら、半分ぐらいが被災してるのかと思ったかな。

・・・エチオピアを見くびっていました。調べたら、7千7百万人もいました。失礼!

「日本の人口は、1億・・・」とまで言って口ごもってしまった。1億人までは追っかけてたけれど、それからどこまで増えたんでしたっけ? (調べたら1億3千万にちょっと足りない数字でした。)

正確な人口がわかんないものだから、苦し紛れに「・・・アメリカの人口の半分だよ。その人数がカリフォルニア州くらいの国土に住んでるの。だから密度高くて混んでるのよね」とごまかした。

「でも日本はすごいよね。今回の原発の問題にしても、すぐに多くの優秀なエンジニアが頭を寄せ合って一生懸命対応してるから、あのくらいで済んでいるけれど、これが他の国だったら、もっともっと大惨事になってたでしょう」とエチオピア人の運転手さん。

今でも十分に大惨事だけれど・・・確かにこれが、例えばエチオピアだったりしたら、誰の手にも負えなくなってたことでしょうね。けど、エチオピアには原発はありませんけど。調べて見ると、アフリカでは唯一、南アだけにありました。他の地域を見てみると、中東ではイラン、中国にもあるし、南米ではブラジル、アルゼンチン、メキシコ。・・・やっぱり彼の言っていることは一理あるな。

「たしかにみんな頑張っていると思うよ。政府の対応に関しては、よくやっているとは言いがたいけれど、色んな人が、いろんな機関がすごく頑張ってると思うわ。」 

そう言って、東京消防庁の話を始めたのだけれど・・・不覚にも途中で声を詰まらせてしまいましたがな・・・。

で、言ったの。
「私、これまで一度も日本人であることを誇りに思ったことはなかったけれど、今回初めて、日本人であることを誇りに思ったよ。」

運転手さんは、一人熱くなっている私を振り返って、不思議そうな調子で一言。
「・・・そりゃ、いいことだ・・・!」

外国人には愛国心強い人が多いですから、「生まれて初めて祖国を誇りに思った」なんて聞くと、この人どうなってんのって思うのかもしれませんなぁ。

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