2011年4月4日月曜日

飛行機

ラジオのトークショーのテーマが、「航空会社のパフォーマンスは数字の上では良くなっているのになぜ顧客の不満は減らないのか」だった。

どうやら「ロストバゲッジ」(チェックインした荷物がなくなること)や飛行機の延着は、ここ1、2年でデータ上はかなり減っているらしい。

確かに飛行機の遅延や取り消しが日常茶飯事だった2、3年前と比べると、このごろは減ったようにも思うし、空港に着いても鞄が来なかったのは2年前が最後かな。(ということで、このところ余分のパンツを1枚手荷物に入れることを怠っております・・・。)

ラジオに出ていたアナリストのおじさんは、それは単なる数字上のトリックなのだと言ってました。つまり航空会社は、今では最初から延着を見越して遅延分を飛行時間に組み込んでいるとのこと。それで実際の到着時間としては遅延にならないらしい。

更にロストバゲッジには、別のカテゴリーとして「Mishandled Baggage」(取り扱い間違い)が加わってこれは別に計上されているらしい。確かにこれまでロストバゲッジと呼ばれていたものには、紛失した物だけでなく、厳密に言えば紛失ではなく、誤ってよそにに送られた、あるいは途中で積み残された物が含まれていた。実際には後者が圧倒的だったはず。

正直言って、私はこのところ飛行機に関しては余り文句を言わなくなった。それは航空会社のパフォーマンスが向上したからではなく、単に慣れたから。これまではもっともっとヒドイ目にあっていたから、少々の遅れくらいだと、逆に「飛んで良かった」と思うし、オンタイムだったりしたら「ラッキー」と思うのである。

つい先日も、もう春は目の前だというのに雪が降った。積雪量で行けば3−4センチというところだったのだが、飛行機はきっちり2時間遅れた。キャンセルではなかったから、心配もせずインターネットをしたり、本を読みながら空港で時間を潰した。

ようやく搭乗し飛行機がプッシュバックを始めてすぐにパイロットのアナウンスが入った。「この機の離陸順位は45番目です。しばらくお待ちください。」

「えー、45番目!」思わず声に出して叫んでしまいました・・・。げげげ、30分くらい待たされるのかな。

続いてフライトアテンダントのアナウンスが入る。「おしまいになった携帯電話などコンピュータ以外の電子機器なら再びご使用になっても結構です。」

そこで周りの人はがさがさと携帯を取り出して、「45番目だってよ〜」と電話の向こうの誰かに訴えている。

ところが5分も経たないうちに、「離陸順位が4番目になりました。電子機器をしまい、離陸準備をしてください」だって。この5分間に40機も飛んだとは思えないんですけど。もしかして、これも最悪を思わせておいて、それよりましな状況を作って顧客の満足度をあげようと言う手か?

航空会社に対してひとつ文句があるとすれば、それは航空料金。航空料金って、あって無きがごとし。

確かにエコノミークラスでも取り消し/変更自在の「正規価格」で買えばべらぼうに高い。けれどそれが出来ない航空券は、十分余裕を持って買えばかなり安い。ところが同じ変更/取り消し不可の格安航空券も、残り座席数が減ってくるとぐんぐん料金が上がって行く。どれも座席の質もサービスも全く同じなのに。(正規料金で買えば、格安の人よりちょっと早く搭乗できるけどね。)

具体的にその価格差はと言うと、例えば飛行時間がたかだか2時間ちょっとの距離で、かなり前に買えば60ドルくらいのところが、出発日が迫って残りの座席数が減ると600ドル、そして正規料金なら1000ドル以上と言った具合だ。

だから予定が決まらないプライベートの旅行は、捨ててもいいから先に買ってしまう。ぎりぎりで買って600ドル払うより、捨てることを覚悟で60ドルの方が安いもんね。(格安チケットの場合は変更料は150ドルくらい取られるから通常は買い直した方が安い。)

正規料金で払ってくれる人の恩恵を受けている訳だから、文句を言う筋合いではなかったか・・・。

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