ご主人のデビッドいはく、前の家では自動スプリンクラーシステムを全部で30箇所くらい業者に設置してもらってたけど、水道代がものすごく高かった。秋の水やりが特に大事だけど、そのときに水を使うと下水道料金が跳ね上がるので、前の家では庭には庭用の独立したメーターをつけていた、とのこと。
つまり夏場の水道代の上昇は、芝生のためであると市が見込んで、水の使用量が増えても下水に流れ込むことがないため下水料金は上がらないのが、秋から春にかけては上水道の使用に応じて下水料金も上がる仕組みになっているとのこと。それは困るなぁ。
「芝生に毎日は水はやらないでいいって言うのは調べてわかったんだけど、毎日でなくても、あんな大変なことしょっちゅうやってらんないわ。広い庭があるとこんな大変なことが付いて来るなんて、知らなかった。もう。。。」ぶちぶち。。。
と私が嘆いていると、メヒ子が、
「じゃあ、やらなかったらいいやん。」
「へ? そんなことして芝生が死んじゃったらどうするん?」
「死なないよ。」
「えっ!そうなん?じゃあなんでみんな芝生に水撒いてるの? 美観のため?」
「そう。」
「えー、そしたらそれを早く言ってくれたら良かったのに!」
「だってジョダコが花に入れ込んでるから、きっと芝生もきれいな緑に保ちたいんやろうって思ってたんやもん。私はずっと水をやってなかったから、ちょっと茶色くなるけど、死なないよ。来年また生えて来るよ。」
「えー! だったらなんでデビッドはスプリンクラー買ったん?」
「この人が勝手にやってるねん。私はどうでもいいねん。この辺のご近所でもスプリンクラーやってるのは2軒くらいしかないよ。」
「えー!そうやったん。そんなんやったら買わんかったら良かった。。。。私も時々ホースで水撒いてたもん。。。そんなんやったらそれで良かったのに。。。」
ということで、投資したホースとスプリンクラーは無駄になりそうですが、週に2回は登場しなくても、物凄い日照りが続いた時にだけに使用することにします。あー気が楽になった!
メヒ子にそう言われて、近所を注意深く見てみたら、確かにスプリンクラーで水撒きしてるのは斜め向かいのお家だけの模様。どうやら他の家はみんな雨頼みみたい。
私もそれで行こ。
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ところで上の文章を読んで小首を傾げた方のために少し説明を加えておきましょう。
メヒ子とデビッドは5年ほど前に離婚。彼が言った「前の家」とは当時二人が住んでいた家。3年ほどの離婚の後、2年前に再婚。正式な離婚の1年前にメヒ子は前の家を出て、ここから徒歩2分ほどの小さな家に移り住みました。再婚とほぼ同時にデビッドはメキシコ駐在となり、その間メヒ子はアメリカとメキシコを行ったり来たり。私も恩恵に預かって2度ほど遊びに行かせてもらいました。この3月に彼は帰国し、以降今の家での二人の生活が始まりました。彼はメヒ子以上にきれい好きなため、帰国前からせっせと業者を雇って前庭をきれいに整えたり、荷物も二人分に増えるので、こちらも業者に頼んでシステムクローゼットを導入。同時期に建った家とは思えないほど、彼らの家の中はとってもモダンで素敵になっています。